公開: 2023年3月24日
更新: 2023年3月24日
第2次世界大戦後に日本で制定された憲法では、「戦力の放棄」を宣言しています。しかし、朝鮮戦争が始まり、米国の日本占領政策が変化し、日本にも戦力を持った軍組織を整備すべきであるとの意見が出ました。占領軍司令部のマッカーサーは、そのような意見を取り入れて、日本政府に警察予備隊を組織することを求めました。日本政府は、その要請に応じて、警察予備隊を設立しました。これが、現在の自衛隊の前身となった組織です。
警察予備隊が発足した当時、日本国内には、旧日本軍の将兵として第2次世界大戦に参加した軍経験者も多く、また、経済的にも貧しかった日本社会では、警察予備隊の隊員募集に応じる人々も少なくありませんでした。そのような警察予備隊に入隊した人々の中には、米軍支援のため、朝鮮半島での戦いに向かった人々もいたそうです。
その後、警察予備隊は、正式に防衛庁下の陸上・海上・航空自衛隊に再編成され、今日に至っています。国会では、自衛隊の違憲性を問題視する議員もいて、与野党の間で、議論が戦われました。しかし、この議論は、自衛のための武力は、国際法上の「戦力」に当たらないとの解釈によって、自衛隊は軍ではないとの合意が形成されました。しかし、この説明には論理的な矛盾が含まれているため、憲法学者の間でも、意見は分かれています。